和田由美の日々雑記

エッセイストとしても活躍する亜璃西社代表のブログ。
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2泊3日で

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     今年1月に骨折した右手首は、救急病院の若いドクターが「こんなに酷いケガ、見たことが無い!」といったほど重症だった。トウコツもシャッコツも折れ、折れた日ねが外に突き出た開放骨折だというのだ。だから、手術ではがっちり金属を入れてくれた。経過は良好で、すくすくと骨は育ったが、今度は同じところを切って金属を取り出さなければいけない。その昔、左腕を骨折した時は、「同じ場所を切るのは嫌だ。墓場まで持っていく」と逃げたものだ。が、今回は余りに凄い金属を入れているので逃げる訳に行かず、先だって2泊3日の入院で抜いたという訳だ。

     まあ、金属を抜くだけだから大したことないと高をくくっていたが、全身麻酔で手術しただけのことはあって、意外に大変だった。麻酔が切れた途端、すごい痛みに襲われ、あわてて痛み止めを頼み、一晩中、術後の傷を冷やしたものだ。とりあえず、無事に退院して、今は平常に近づいている。本当に骨が折れることばかりだ。

     しかし、入院中は何もすることが無いので、読書が進む。『みをつくし料理帖』の高田郁が書いた新シリーズ『あきない世傳 金と銀』の1〜3巻まで読んだが、やっぱり面白い。4巻目の発売が待ち遠しい限りだ。もう一冊、ノンストップで読んでしまったのは鹿島茂著『昭和怪優伝ー帰ってきた昭和脇役名画館』(中公文庫)。私の大好きな荒木一郎から始まって,岸田森、成田三樹夫など、昭和の怪優12人が語り尽くされている。フランス文学者の鹿島さんが、これほどB級映画や日活ロマンポルノが好きだったなんて驚き。シネマディクトでなければ語れない俳優の魅力の数々。映画ファンなら堪えられない一冊だ。

     ところで、最近のテレビで面白いのはもちろん、「やすらぎの郷」だけれど、NHKの朝ドラ「ひよっこ」もなかなか。何たって、ヒロインの下宿のオバサンがユニーク。なんて色っぽい、NHK的じゃない女優だろうと思ったら、早稲田小劇場出身であの「百物語」を独演する白石加代子だったのだ。この人を見るためにだけでも、この番組を見る価値がある。もちろん、有村架純も好きな女優だけれど……。

     

     

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    酔い本 サカバナ

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       仕事仲間の若い人たちが、酒の本を作った。その名も『サカバナ』(中西出版)と言い、酒にまつわるエッセイや小説、戯言、自己弁護など、あらゆるものが詰まっている。アルキタのマチ歩きBOOK「歩らいぶ」を作っている、編集工房シーズの山本公紀さんが

      中心となって発行人を務め、自由奔放に作っているのだ。

       私も頼まれてエッセイを寄稿しているが、それより若い人たちがそれぞれに好き放題に書いているのが楽しい。1ページ全体に大きく「プハー!」という文字が踊ったり、妖しい古酒場の写真が載ったり、可愛いイラストが真ん中に挟まったり、およそ本という枠をはみ出して好き勝手にやっているのがイイ。

       そういえば、私が1970年代初頭に作った最初の『さっぽろ青春街図』もそうだったな。書物造りの約束事なんて関係ない。自分たちの造りたい本を作ろうというので、めちゃくちゃな本を作ったものだ。本業となった私にとって、今は絶対に人様に見せたくない本だが、その中に込められた熱気だけは、今見ても本物だ。

       そんな昔の私を思い出させる「サカバナ」、ぜひ、みなさんに読んでもらいたいな。

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      山菜がウマイ!

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         その昔、友人と山菜採りへ出かけ、収穫したフキやワラビをどっさり母親に持ち帰った。すると母親は、茹でたフキの皮を剥きながら、「お前はイイよねェ採るだけだから。山菜は後始末の手間が大変なのよ」と愚痴ったものだ。しかし、母が亡き後、誰も作ってくれないので、自分でするようになった。昨夜も、昼間に狸小路の八百屋で見つけたフキを茹で、ついでに買ったワラビとさつま揚げで煮てみた。そのフキの柔らかく旨いこと、この上ない。美味しいなあ山菜。そしてもう一品、ウドの酢味噌和えに挑戦してみたが、こちらは失敗。どうしても、酢味噌の味がうまくいかない。まあ、再度、チャレンジしてみよう。

         

         ところで、芸人たちが煩くかしましい番組の多い中、ひっそりと放送されるNHKドラマ「ツバキ文具店〜鎌倉代書屋物語」」がとてもイイ。原作は『食堂かたつむり』を書いた小川糸で、主演は大好きな映画『ピ−スオブケイク』で日本映画批評家大賞の主演女優賞を受賞した多部未華子。この女優さん、清潔感溢れてしかもリリカルだから、古都・鎌倉にぴったり。二階堂ふみや満島ひかりと違って重たさが無い分、気楽にドラマを観られる。疲労困憊でドラマを観るのが辛い時でも、気楽に楽しめる。また、ドラマに登場する便箋の紙、ガラスペンや筆などの筆記用具はもとより、木造家屋のセットや椿の花など、ディティールがとても良い。物語は淡々と展開され、すべてに押しつけがましさのない所が好ましい。

         

         一方、恥ずかしくてもてられないと思いつつ、つい観てしまうのが、朝の連ドラ「ひよっこ」。映画「ビリギャル』が良かったので、注目している女優だけれど、まさか「ひょっこ」の田舎くさい姉ちゃんが、この人だったとは…。恥ずかしくて母親のような心境になってしまうほど心配だが、妙に面白い。と同時このドラマ、私と同時代が舞台なので、背中がかゆくなってきて仕方が無い。何かといえば歌を歌う、歌声喫茶の時代、私も知っているのよ。知られたくない過去を暴き出されるようなドラマで、今朝も見ないふりして見てしまった。

         

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        嗚呼!私のハンバーグ

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           3年前にT病と宣告されてから、毎日のようにマジメにお弁当を作っている。そして一昨日の朝、デパートでおかずに買った手づくりハンバーグを、小さなフライパンで焼きあげようとした。オリーブオイルを少し多めに注ぎ、ハンバーグを入れて水も少し。そして蒸すため、たまたま近くにあったシチュー鍋の蓋を上から被せた。2分ぐらい経ってから、蓋を取ろうとしたけれど、頑として外れない。エェーィッ、「そんなはずはない」と骨折して治りかけの右手首を使ってはずそうとしたが、無理。それならばと、左手で大きなスプーンをコテにして力を入れてみたがダメ。余りのことに情けなさで一杯になった。が、時間もないことだから諦めて、違うフライパンでソーセージを炒めて代わりにした。そして昨夜、帰宅して熱が冷めていたら外れるかと再度試みたが、びくともしない。今朝もやってみたが無理。中にはまだ、ハンバーグが閉じ込められているのだ。中身が食べられないのは仕方ないが、中から取り出せるかどうか、それが問題だ。嗚呼!私のハンバーグ。どうしたら良いか、誰か教えて欲しいものだ。

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          遅ればせながら、でもイイさ。

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             自称・映画ファンではあるけれど、2月に発表されるキネマ旬報ベストテンに入る作品を、すべて観ているわけではない。必然的に遅ればせながらレンタルで観る訳だけれど、それでも観るだけ良いと思う。とりわけ昨年の邦画は、アニメ以外にも優れた作品が多く、まさしく豊作だったと思うからだ。

             ようやく観れた「湯を沸かすほどの熱い愛」は、ますます女優として成長した宮沢りえが素晴らしく、その彼女に拮抗できるほど凄いのが杉咲花で、この人は天才だと思わせる。これが商業映画デビュー作という中野亮量太監督は、初々しさももあるが、多少のことでは動じない骨太なところもあってなかなか。人間味に溢れた、極上の作品に仕上げていて、すれっからしの私を感動させてくれた次回作が楽しみ。

             そのほか、西川美和監督が本木雅弘の良さも悪さもすべて引き出した「永い言い訳」、妻夫木と綾野剛の演技が光る「怒り」、大好きなマツケンの「聖の青春」などキラ星のごとく秀作が並ぶ。が、遅ればせながら観た作品の中で、一番強烈で心に焼きついたのが「ヒメアノ〜ル」だ。ビル清掃会社にパートタイマーで務める青年の恋愛バナシと、欲望のままに殺人を重ねるサイコキラーの心の闇が同時に描かれるのだけれど、怖いなんてものじやない。この不気味な怖さは、相当に後を引く。もちろん、殺人鬼に扮した森田剛の名演もあるが、スリリングな監督の演出も見事。監督はなんと、あの十勝を舞台にほのぼのとした物語を紡いだ「銀の匙」の吉田恵輔監督。「クリービー 偽りの隣人」を撮った黒澤清監督に負けていないくらいだから、大したものだ。

             そのほか本は、林真理子著『我らがパラダイス』に圧倒され、『死刑囚 永山則夫の花嫁 「奇跡」を生んだ461通の往復書簡』(柏艪舎)に涙した。 グルメは、「ミンガスコーヒー」のフレンチ強めを味わい、「サヴォイ」のスープカレーで満腹感などなど。

            新しい情報は連載で!

             

             

             

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