仲町アラシ

  • 2014.03.13 Thursday
  • 11:57
 古い建物を生かしてユニークな飲食店が入居するM’sスペースは、これまで狸小路や創成川イー―ストなど、各所にある、それが今度、札幌劇場のある旧須貝ビル横(南4西1)の小路に「M’s仲町」に誕生したという。こういう小さな店が雑居する路地が大好きなので、わが社のスタッフと共に「仲町アラシ」に出かけてみた。が、その前に立ち寄った狸小路のL字街で、たらふく食べてしまったので、2次会という感じかな。
 古い倉庫を改造したというM’s仲町は、7軒ほど店があり、2階の一番奥まで行ってみたが、あいにく定休日。そこで、名前に惹かれて一番手前にある「真夜中のバル」へ入ってみる。そしてまず、食べ物より酒を選ぶ。近頃とても評判の良い金滴酒造の「瑞鳳」ほかを頼み飲んでみたが、なかなか旨い。つまみに頼んだ子持ちシシャモのオイル漬けも上品なお味で、缶詰とはいえ、それを選ぶセンスはなかなか。7席ほどのカウンターはスツールのように高い木製の椅子で、最初は座りにくいと思いきゃ、意外に座り心地が良くて、本格バー気分が味わえる。2階にはテーブル席もあるらしいが、それはまた。アラシというよりはナラシという感じだったけれど、面白そう。
 ところで、先だって紀伊国屋書店で、「黒澤明監督が愛した さっぽろ昭和の街角」というタイトルでトークイベントを開催。わが社の新刊『スケッチで描く さっぽろ昭和の街角グラフィティー』の著者で、映画ファンの大先輩である浦田久さんとトークショーを行った。その際、黒澤監督が丸ごと札幌をロケ舞台に撮った映画「白痴」(昭和26年)のシーンと、浦田さんの原画を重ねて、昭和20・30年代の札幌を語った。その映画の中で私が嬉しかったのは、主演の森雅之が札幌の街中を彷徨い、とある喫茶店に入る。その店が、「紫烟荘」(南3西4)という名前であることを、窓ガラスに刷り込まれた文字から発見できたこと。駅前通りに面して東向き、今の千秋庵本店の斜め向かいにあったそうで、和田義雄著『札幌喫茶界昭和史』にも登場する老舗なのだ。私がその名を知った時にはもう閉店していて、間に合わなかったのが残念で仕方がなかった。が、スクリーン上で、見ることができて感激。そんな余計な話をちょっとしてみると、意外に喜ばれた。
 余計ついでにもう一軒、有名な「ミレット」(南3西3)という喫茶店があり、昭和35年に閉めたが、3年後には北2東2に同じ経営者がひらがなの「みれっと」を出す。これが、渡辺淳一さんの初期の小説『阿寒に果つ』に登場していて、私が知った時にはまだあり、行ってみたくてたまらず、わざわざコーヒーを飲みに行ったことがある。そんなことをしたのが、もう40年余り前の話なのだから、時が経つのは早いなあ。

 
  
  
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