優れた小説を読んだ!

  • 2019.06.24 Monday
  • 17:48

  仲間に薦められて読んだ小説『颶風の王』が、稀に見る傑作だったので、まだその余韻に浸っている。その名は河崎秋子。別海町で羊飼いをしながら、現在も小説を書いているそうだ。道東を舞台とした馬を巡る3代の物語だが、圧倒的な迫力で描かれる風景描写とストーリー展開に息を飲まれた。これほど土着的な小説は久しぶりで、なぜか敬愛する作家・深沢七郎の世界を思い出させられた。文章の行間からにじみ出る土と馬の匂いは、道産子の魂を強烈に揺さぶる。最後まで緩めることなく、書き上げたそのど根性にも頭が下がる。遅ればせながら、しばらく見守りたい作家である。

 もう一冊、おっとり刀で読んだのが、山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみ著『平場の月』。この作家、『田村はまだか』から読んでいるが、ここ数年、ご無沙汰していた。買った本は初版ではなく第8刷にもなっていて、世の人に遅れてしまったが、この人もまた、愛する男のがひたひたと描く染み入るような文章が上手で、つい涙がほろり。古今東西、恋愛小説は男が女の心情を細やかに書き綴ったものだが、最近は女が男の心情を濃密に書けるようになったのだろう。女性の男性化とはこのことで、より繊細な男性に近づいたということかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

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