坪内祐三さんなどエトセトラ

  • 2020.04.30 Thursday
  • 16:42

 今や何かと話題となる「週刊文春」を、毎週欠かさず買ってもう40年近くになるだろうか。イラストレーターの和田誠さんの作品が表紙を飾るようになってからで、その前は「週刊新潮」を愛読していた。だから一時期は2冊買っていたが、谷内六郎さんが亡くなってから週刊新潮は止めてしまった。そんな因縁のある和田誠さんが亡くなられたと思ったら、愛読していた文春のコラム「文庫本を探せ!」の書評家でエッセイストので坪内祐三さんが急逝された。昨年の1月13日、死因は心不全とのこと。61歳だった。未だ若いよね。歯に衣着せぬ物言いが痛快で、本の選び方も好きだったので、とてもショックだ。雑誌類で一番早く、私が追悼文を読めたのが新潮社の「波」2月号で、作家の重松清さんが書いた一文だった。愛情のこもった素敵な文章だったなあ。以来、キネマ旬報や「本の雑誌」などで追悼特集が組まれている。私がすぐに古本で手に入れたのは、本の雑誌社から発行の『文庫本宝船』(2016)である。久世光彦『向田邦子との二十年』や深沢七郎『生きているのはひまつぶし』、小林信彦『映画が目にしみる』、荒木一郎『ありんこアフター・ダーク』など好きな作品が数多く載っているのだが、その中で、とりわけ目を引いたのが、ウィース/宇多五郎訳『スイスのロビンソン』上下(講談社+α文庫)。

 実は田舎に住んでいた幼い頃、母が読書好きな私に与えてくれた本が、講談社の『少年少女世界全集』50巻。専用の木製本棚もセット(今も我が家の猪口ギャラリーに使用)で、子供心に月1回の配本がどれほど楽しみだったことか。ところが、児童向きなので、小説はすべてダイジェスト版。『ああ無情』が『レミゼラブル』で、『岩窟王』が『モンテ・クリスト伯」という大河小説であることを知ったのは大人になってから。読み直すと、奥の深さのスケールが違うことを思い知らされたものだ。

 ちなみに、幼い頃は男の子のように冒険ものが大好きで、中でもとりわけ好きだったのが『スイスのロビンソン』。ロビンソン・クルーソーの二番煎じなのだけれど、家族で、孤島に流された話。いつか読み直してみたいと思っていたので、坪内さんの本で見つけられて嬉しい限り。蛇足だけれど、この『スイスのロビンソン』、講談社の文学全集で読んだと思い込んでいたのだけれど、実は収録されていなかった。非道い勘違いで、ほかの出版社が出した名作シリーズの中にあったらしい。

 今読むと、どういう風に思うのか恐ろしい気もするが、読むのが楽しみではある。幼い頃は家の中に閉じこもってばかりいたが、何せ80日で世界一周したり、海底二万里を潜ったり、ロビンソンクルーソー並に孤島で奮闘したり忙しかったもの。コロナで家に閉じこもる子供たちにもぜひ教えてあげたいオモシロ本の数々を、坪内さんのお蔭でつい思い出してしまった。ついでに江戸川乱歩の少年探偵団や怪盗ルパンの面白さも、今の子供たちにぜひ知って欲しいものだ。

 

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