本と映像三昧の日々

  • 2020.05.06 Wednesday
  • 22:13

 いつも休日は、引きこもりで本と映像三昧の日々。だから外出を控えてという今回の連休も日数が長いけだけで、過ごし方はいつもと同じ。余り痛痒は感じない。先だって、非道い骨粗鬆症だとドクターに診断されたほど骨が細いのは、若い時から日光の当たらない生活をしてきたからだろうか。夜は酒場のカウンターか、もしくは映画館の暗闇の中という生活が長かったもんね。

 

 それはともかく、この連休中で観たテレビ番組の中で秀逸だったのは、NHKスペシャル「未解決事件 File.08 JFK暗殺」(気4月29日放送、兇錬儀遑監放送)だ。ドキュメンタリーと外国人俳優を使った海外ドラマ仕立ての二刀流で、「オズワルドの単独犯行ではない」と言われ続けていた、ケネディ暗殺事件の真相が克明に暴かれる。NHKは、CIAの元調査員や軍関係者、映画監督のオリバー・ストーンなど66人のチームと共同で、機密文書の一部や非公開フィルムを手に入れて分析を続けてきたという。見事な出来栄えでかつわかりやすく、これまでのモヤモヤがとれてストンと腑に落ちた。

 そういえば、遅ればせながら観たBSプレミアムのドラマ「スローな武士にしてくれ〜京都撮影所ラプソディ」も良かった。映画ファンは必見(源孝志という演出家の名前も憶えておきたい)。

 DVDの映画では、私の映画師匠の一人である”ケンちゃん”から借りた旧作、中村登監督「夜の片鱗」の素晴らしさに度肝を抜かれた。“鮮烈な映像センスで描かれる堕ちていく女の悲劇“という惹句通り、堕ちてゆくヒロインを演じる桑野みゆきのそれはそれは美しいこと。しかも彼女は、一見サラリーマン風だけれど本性はヤクザという男を演じる名優平幹二郎を相手に、一歩も引くことなく演じ切った。また、成島東一郎の繊細なカメラワーク、モダンな音楽、おしゃれな衣装など実に斬新な映画で、今観ても古びていない。その意味では「松竹ヌーベルバーグ(新しい波)」と呼ばれた1950年代から60年代に作られた作品ならではだろう。そういう意味では「その場所に女ありて」(1962・東宝)などモダンな作品を撮り、近年、再評価されている鈴木英夫監督と少し似ている。昔の日本映画がこんなに面白いなんて、まだまだ映画の愉しみは深い。

 

 ところで、連休中に読んだ本は、渡辺京二『黒船前夜〜ロシア・アイヌ・日本の三国志』(2019・洋泉社・新書版)仕事で必要なので読んだが、大佛次郎賞をもらっているだけあって、構成と展開がユニークで面白い。また、著者はエピローグで最上徳内がアイヌ社会を語るために引用した言葉「アイヌの人びとは樹皮や毛皮を身につけ、草の根をゆでて食い、茨の戸口を立てた犬小屋のような住まいに、夫婦兄弟が雑居して暮らしている。にもかかわらず、彼らが孝行、貞節、信義、節操の美徳に優れているのはなぜであろう。いわゆる朴訥は仁に庶(ちか)しということか。あるいはまた、生まれつき美しい性質のために物欲にうごかされぬからであろうか」(『近世蝦夷人物誌』弐編の序文より、口語訳は『アイヌ人物誌』(平凡社ライブラリー・2002)から)を紹介。著者はさらに、「彼らはいずれも自分たちが、金銀に縛られて生きる民族国家の一員たることを苦く自覚させられたのである」と書く。この時世にこういう言葉を教わると、なぜか心に沁み入る。このほか、今読みかけの本は、アニエス・ポワリエ著、木下哲夫訳『パリ左岸』(白水社)。戦後、新たな時代の幕開けを彩り、歴史に名を刻んだ人々の青春をパリを舞台に活写している。

 

 

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