映画館の暗闇で

  • 2020.06.21 Sunday
  • 19:04

 コロナ禍でご無沙汰していた映画館へ、土曜の夜、久しぶりに出かけた。作品は「ストーリー・オブ・マイライフ 若草物語」。駅前のシネコンは、ほとんど人が居なくて館内で映写技師さんと二人だけならちょっ―辛いなあと思ったが、カップルが3組に一人客も加わり、何とかなった。席は一つ置きにして、1階のエレベーター乗り場では整然と並べるよう工夫されていたが、如何せん入場者が少ない。もう少しで戻ると思うけれど、寂しい状況だった。が、映画館の暗闇に入り込んだだけで、「私の居場所はやはりここだった」と思えるほど気持ちがリラックスできた。しかも、作品は、私が幼い頃から何度読み直したかわからない名作「若草物語」の映画化。男兄弟(兄が3人)で育った私は、長女メグに憧れ、次女のジョーに共感し、ちゃっかりやのエイミーに呆れたものだ。そして、姉でも妹でも良いから、姉妹が欲しいと無いものねだりをしたことが懐かしい。

 エリザベス・テイラーが出演した昔の作品も良かったが、今回は作家志望の次女ジョーを中心に据え、現代にも通じる働く女性の生き方を描き、主演したアイルランド出身の女優シアーシャ・ローナンが演技力抜群で実に魅力的。脚本も良くできていて、上映時間135分が少しも長く感じられない。セリフは少なく、情景描写も良く、衣装デザイン。も素晴らしい(衣装部門でアカデミー賞受賞)。実に映像的で、映画とは何かを分かっている監督の作品は、安心して観ていられる。映画館の大スクリーンならではの楽しみ方が出来て、とても満足した。

 映画館の下の書店では、直木賞候補作で、浦河出身の馳星周著『少年の犬』〈文藝春秋)を買い、少し前に読み終えた。短編の連作集で、私の好みは「老人と犬」かな。数年前に読んだ『ゴールデン街コーリング』(この著者は新宿ゴールデン街で内藤陳が営んでいた酒場「深夜プラス1」でアルバイトしていた)という小説も好きだったけれど、さりげなく男ならではの情感を映し出すところが魅力だ。ハードボイルドに徹しきれないところも…。そしてもう一冊、犬と一緒に買ったのは猫の本。北大路公子の日記文学『ロスねこ日記』(小学館)。いろんな所で目にするけれど、この人のエッセイは威勢が良くて、とても面白い。まとめて読んでみたいと思っていたので、これを手始めに読むつもり。

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