愛は着地するか?

  • 2020.07.13 Monday
  • 11:59

  コロナで余り人に逢わない間、何やら韓国ドラマ「愛の不時着」が話題という。熟年(老年?)ミーハーの私としては、見逃すわけにはいかない。そこで、ネットフリックスに契約し、全16話をすぐに観終わった。で、やっぱり、オモシロイ。

 ついこの間、警官を主人公とした韓国のミステリードラマ「シグナル」に感心させられたものだが、この「愛の不時着」もストーリー展開が巧みで、脚本が良く出来ている。韓国の財閥令嬢ユン・セリ(ソン・イェジン)と北朝鮮の裕福な家庭で育った青年将校ジョンヒョク(ヒョンビン)との禁じられた恋愛がテーマで、俳優も適材適所。悪役の冷徹な軍人チョ・チョルガンを演じるオ・マンソクも、良い味を出している。

 ともあれ、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の場合、悲恋の要因は家柄だったが、このドラマでは韓国と北朝鮮を隔てる38度線。パラグライダーで飛行中の令嬢が、強風でその38度線を越えて北朝鮮へ降りてしまう。そこで目にする北朝鮮の暮らしぶりが、実にリアル。何かというとすぐに停電し、冷蔵庫が役立たずで本棚になっているという具合。停電に慣れっこである村の人々がローソクを用意する場面では、私が幼い頃がに育った田舎の生活が思い出された。日本だって昭和30代までひんぱんに停電し、母親がローソクを引っ張り出していたものだ。冷蔵庫も無く、夏のスイカはタライに水を張って冷やしていたもの。このドラマでは、塩漬けした肉を地下室で保存している。

「冬のソナタ」(2002年)もそうだったけれど、ドラマで描かれる人々の暮らしの中に昔の日本が垣間見られ、なぜか懐かしい気持ちにさせられる。停電の暗闇にキャンドルが登場するシーンもそうだが、もう一人のヒロインであるデパートを経営する社長の娘が、髪飾りをつけるかどうかで逡巡するシーンもクラシックで郷愁を誘う。どんどん主題から話が外れてゆくけれど、ドラマの楽しみの一つはでディテール。北朝鮮の村人たちの個性豊かなキャラクターの描き方、若い軍人たちが最先端にまで進化した韓国でどれほど驚愕するか(例えば自動販売機から温かい飲み物が出てくることにビックリ)など。1話が(90分)という連続ドラマとしては異色の長さだけれど、退屈させない。そこかしこにユーモアのセンスが仕込まれていて、大したものだと感心させられた。

 ただの恋愛ものであれば、ゲンナリすることもあるのに、これだけ飽きさせずに最終回まで引きつけるとは、脚本の魅力と演出の巧さ、俳優たちの演技力という三位一体のなせる業。そういえば、英国ドラマ「ダウントン・アビー」も素晴らしかったし、「いま、TVドラマは下手な映画より面白い!」と納得させられた。

 

 

 

 

 

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