松本清張はやっぱり、凄い!

  • 2020.07.25 Saturday
  • 16:01

 ある日、自宅を訪れた友人の一人が、私のそば猪口コレクションを眺めながら、「この器でプリンや杏仁豆腐を作ると楽しい」とアドバイスしてくれた。そこで、市販のプリンでやってみたが、私の口には合わない。さらに陳健一さんが指南する(これもインスタント)で杏仁豆腐を作ってみると、これがなかなか旨い。真っ白な杏仁豆腐の上に、オリジナルに細かく色鮮やかなドライフルーツミックスを散らしてみたのが、好評の秘訣らしい。

 そこで「豚もおだてりゃ木に登る」タイプの私だから、この連休中に本格的なプリンとコ―ヒーゼリーに挑戦してみた。が、敢えなく敗退。プリンの場合は、ゼラチンを良くかき混ぜなかったのと、バニラエッセンスが無いので代わりに紅茶のティーバックを使ったこと。総勢6個のうち、キチンと固まったのは1個だけ。残りはトロトロして固まらず、味も余り良くなかった。そして、コーヒーゼリーはと言えば、固まることは固まったが、およそ私の理想像とは全く違った薄い色と味わい。大きなガラスボールに一杯入った不出来なそれを眺めながら、「コリャ駄目だ」と放心状態。でも心の中で、「今に見てナサイ」と戦闘の火蓋を切った。いつの日か、東京神田の古本街をさまよった果てに、ある喫茶店で食べた私の生涯で最高のだ味わいだったコ―ヒーゼリーの味に近づくべく、闘いを開始する決意を新たにしたのだった。(忙しい時に限って、余計なことをしたくなる性格らしい)。

 

 ところで、仕事で読み始めた松本清張著『黄色い風土』(1959  )は、昭和34年5月から8月まで、当初は『黒い風土』というタイトルで、北海道新聞をはじめとする地方紙に連載された長編小説であるという。週刊誌の記者が、連続殺人の謎を探るうち、事件の背後に暗躍する集団に立ち向かう社会派ミステリーである。前半は港町小樽が主要な舞台となっていて、繁華街のバーの女性たちがいかにつっけんどであるかや小樽港湾の地形などが、細やかな観察力で描かれ、実に切れ味が鋭い。

 そこまではおっとり刀で読んで居たのだが、そこから舞台が東京や名古屋、岐阜など全国に飛び、スケールの大きい事件がクローズアップされる。大がかりなニセ札事件が浮かび上がり、印刷技術や紙に至るまで克明に描き書き込まれている。最後は予想外の展開となり、社会派推理小説の面白さを堪能させてくれた。もちろん、名作『点と線』『ゼロの焦点』『砂の器』などは読んでいたが、今はどちらかというと映画やTVドラマで再び接する方が多かった。 しかし、未読の清張作品を、久しぶりに活字で読む楽しさは応えられない。清張好みの「沈丁花」の香水を放つ美女のイメージが、小説では自由自在にイメージ出来てしまう(決して、米倉涼子では無いんだなあ)のも魅力だ。ともあれ、時代を超えても、共感を覚えさせる清張作品は凄い!

 

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