喫茶店グラフィティー余話

  • 2020.09.02 Wednesday
  • 09:02

 昨年4月、20数年ぶりに喫茶店の連載をスタートした時、トップバッターに選んだのは、南1条通り沿いにある「丸美珈琲店」だった。札幌生まれのオーナー後藤栄二郎さんが2006年に開いた、スペシャルティーコーヒーの店である。南米ニカラグアの農園で収穫された豆を使うというコーヒーは、のど元を通り抜けた後、極上の吟醸酒のようなキレの良さと雑味の無さ、シルクのような優しい口当たりで、私を呆然とさせた。しかも、提携しているというケーキ店のチーズケーキと共に味わうと、一杯のコーヒーの旨さを心ゆくまで堪能できた。しばらく酒場通いが多く、喫茶店と疎遠だった私にとっては衝撃的だった。

 コーヒーとチーズケーキを一緒に愉しむとは、なんて贅沢なことだろう。私が若かった時代(1970年代)、とあるジャズ喫茶では一杯300円で半日ねばる人が居るなんて当たり前。コーヒーを飲み終わった後は、お冷に無料だった砂糖を入れて、砂糖水にして何時間も粘った剛の者も居たと,その店のマスターは教えてくれたものだ。そんな昔を知る私にとって、目にも鮮やかな藍色の器(ブルーダニューブ美濃陶磁器の伝統を継承するという)も魅力的だった。しかも、その後藤さんが、札幌三越前(現パルコの場所)で長らく祖父が営んだ「丸美帽子店」に因んで、丸美珈琲と命名したという話にも感銘を覚えた。南1条通りの丸美珈琲店、コーヒーの旨さもさることながら、何か歴史を感じさせる店である。

 

コメント
和田様、いつも素晴らしい投稿をありがとうございます!
札幌のコーヒーシーンにとって「丸美珈琲店」がどれほど重要な存在であるかを改めて実感致します。
毎年秋のコーヒーマルシェが楽しみで仕方ありません。
札幌のコーヒーシーンの歴史を紐解く日々のなか、「斎藤珈琲」と「丸美珈琲店」を輩出した「可否茶館」の偉大さを感じています。
「可否茶館 大通店」と「丸美珈琲店」、更には「MINGUS COFFEE」が集結する南一条西一丁目エリアは、まるでコーヒーの神様に愛されし聖地のようであると感じずにはいられません。
改めて素晴らしい投稿をありがとうございます!
次回の余話も楽しみにしております!
  • ヨシダ タクミ
  • 2020/09/03 12:56 AM
札幌のコーヒーの思い出でもあり私のコーヒーの原点は、50年前に大通り公園の西17辺りにありました上島コーヒーの試飲室です。日替わりでストレートを出しました。ブルーマウンテン、モカ、ハワイコナ、ガテマラコバン、キリマンジャロ等が確か50円程だったと思います。試飲室なので5時閉店なので閉店15分前に入り閉店時に残ってコーヒーが残っていたらどうせ捨てるのだからと言って50円で数杯飲ませて貰いました。そこから今日までコーヒーはストレートで飲んでます。次回札幌に行った際は探してみたいと思います。
  • 安達
  • 2020/09/04 1:09 AM
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