幻のシェリー

  • 2020.09.29 Tuesday
  • 14:31

 グルメ好きの後輩に、新しく出来たスペイン料理「ボケリア」へ連れて行ってもらった。狸小路7丁目そばの「しゃみ靴店」2階にあり、余りにも急な階段に最初はめまいしそうだったが、何とか上がり切った。料理はなかなかで、とりわけナシ(なんとラ・フランスではなく幸水を使う)をふんだんに取り入れたサラダとイカ墨のパェジャがおいしかった。グラスワインのセンスも良い。が、3杯目を頼むとき、メニュー表にシェリー(白ワインの一種)の文字を見つけたので、思わず頼んでみる。

 その昔、スペイン帰りのギタリストがこっそり持ち帰ったというシェリーを飲ませて貰ったことがあり、それが最高に美味しかった。以来、その味が忘れられず、辛口シェリーの代表格である「ティオ・ペペ」をはじめ、様々なシェリーを飲んでみたが、未だにその味に出合っていない。つまり、「幻のシェリー」を今でも探し求めている。が、ここで頼んだオロロソはブランデーに近い味で、予想とは違っていた。

 ともあれ、シェリーというと、かつてカクテルバーを指南してくれた酒飲みの先輩を思い出す。――「聖なる酒場」カクテルバーでは、揺らめきを覚える官能的なジャズが低く流れている。フットバーに片足をかけてシェリーグラスを口にする女。飾りテーブルの花を見つめるその目は優しく、少し悲しげだ。絹の光沢に似た海島綿のシャツブラウスの胸を、さらに協調するようなパープルの細いタイを結んだ女ひとり。時の流れゆくままに、濃厚なエロティシズムとメランコリィが香り始めている。

 と、ベストセラー『さっぽろ食べたい読本』のカクテルの序章で書いていた酒飲みの大先輩。若い頃からジーンズとTシャツで街中を走り回っていた私は、いつか「シルクのブラウスとシェリーが似合う女になりたい」と願っていたが、やはり無理だった。今は身体中が骨折の後の傷だらけの身だ。が、「幻のシェリーに出合いたい」という夢は、今も持ち続けている。

 

コメント
シェリー酒は多分飲んだことは無いと思います。付き合いやプライベートでも多々呑みましたが大半がビール、ウイスキー、焼酎が多くブランデーやワインも海外の連中が来た時に多少はいただきましたが、どちらかと言うと料理が主でした。ワインも一時は飲みましたが赤の渋味が好きで赤が多かったです。もっとも酒は何でも好きですので飲みましたよ。今度機会があれば是非シェリーを味わってみます。友達に昔ワインの卸しをしてた者がいますので聞いてみます。いつまで美味い酒が飲めるやら。飲めるうちに飲みましょうね。
  • 安達
  • 2020/10/01 11:37 PM
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