ビニールクマと映画祭

  • 2020.10.11 Sunday
  • 15:10

 今年4月、札幌千秋庵本店が、駅前通と南3条通が交差する角にリニューアルオープンした。久しぶりにバター煎餅の丸缶入り「山親爺」を買い求め、なぜかその中に昔は入っていたビニールクマのマスコット人形を思いだしてしまった。

 まだオフィスで盛大に忘年会を開いていた1999年暮れのこと。抽選会も行なっていて、山親爺が当たったのは、私の読書&グルメの師匠でプロモーターの木ノ内久嗣さんだった。缶を開けた木ノ内さんはビニールクマに小躍りして喜び、これでベルリン国際映画祭での受賞は確実だとまで言い切った。

 というのも、木ノ内さんは小樽時代から親友だった日活の監督小沼勝さんのプロデューサーとして、新作の児童映画「NAGISA」をひっ提げて、正月明けの2000年に開催されるベルリン国際映画祭の「キンダーフィルムフェスト部門」にチャレンジする予定だったからだ。最高賞は金熊賞で、受賞者はクマを象ったトロフィーを貰えるらしい。つまり、それだけビニールのクマは験(ゲン)が良いということだ。が、私はそんなことあり得ないと半信半疑でいたら、なんと本当に受賞してしまった。木ノ内さんは監督と帰国した羽田空港で、取材陣のカメラに向かって、そのビニールグマを高く持ち上げて見せたという。

 その後、小沼監督に「あのクマはもう無いのか?」と問われ、実は二つ持っていた木ノ内さんは一つ分けてあげたそうだ。

 日活ロマンポルノを40本以上撮り、相米信二監督や根岸吉太郎監督たちの大先輩にあたる小沼監督の故郷は小樽。今、小樽文学館で「小沼勝監督展」を来春に開催するべく、準備が行われているそうだ。願わくば、験を担いだ千秋庵のビニールクマ人形も展示して欲しいものだ。

 

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